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2016
07

SIHH2016見て歩き:ジャガー・ルクルト

 

 時計展示会の会場を駆け回っていつも思うのは、自分にとって時計は大きく分けて二つに分類されると。一つは、技術やデザインなど、新しいトレンドを紹介するための時計だ。もう一つは、取材者という立場は別として、“手に入れたい”“着けて楽しみたい”と思わせる、物欲を刺激するような時計である。

 今年(2016年)のSIHHで出合った時計の中でそれにあたるのが、ジャガー・ルクルトの「レベルソ」だ。「レベルソ」誕生85周年を機にコレクションをリニューアルしたが、クラシカルでシンプルなデザインの採用や、このところのオーバーサイズを見直して程よいサイズへと戻したところが非常に印象的だった。ある意味このリニューアルは一種の先祖返りにも思われたが、それこそがジャガー・ルクルトの狙いなのかもしれない。あくまでも推察の域を出ないが、目新しさを狙って過剰な演出に走るよりも、名声を確立する「古典」の良さを再認識してもらいたいとの考えのようだ。このような原点回帰を歓迎したのは、筆者一人ではなかっただろう。

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